さらに、900回投げてみてください。
表が出る確率は徐々に5割へと近づいているはずです。
これと同じように、株価の変動は短期間で見るとひじょうに大きいのですが、長期的に見るとならされて、平均的な収益率へと収束していくわけです。
これは朗報です。
短期で勝負せずに、長期間黙々と勝負を続けることができるならば、12%というすぐれた利回りを自分のものにできるのです。
長期間マーケットに居続けるこの考え方が個人投資家における『投資戦略』の基本になります。
ただそのためには、30年という長い時間をかけることでリスクを低くしていかなければなりません。
運用期間を長くとればとるほど、短期的なパフォーマンスのブレを無視できるようになります。
株式本来の収益性の高さを享受できるようになるのです。
ですから、いかにいま株価が下げていようと悲観しないでください。
悲観すべきなのは、株価の動きに一喜一憂して、短期的な売買を繰り返すことのほうなのです。
そういう見方に立つことができれば、株価が下がっても悲観せず、安く仕入れることができるチャンスだと前向きにとらえることができるようになります。
資金運用のパフォーマンスに関する統計を分析すると、次の3つの特徴が浮かび上がってきます。
長期間にわたる投資収益率をみると、株は債券よりも高く、債券は預金よりも高い。
短期間における投資収益率の変動幅をみると、株は債券よりも大きく、債券は預金よりも大きい。
投資収益率の変動幅は、期間を長くとればとるほど縮小していき、平準化した値へと近づいていく。
つまり一時的にどんなに上下しようと、株式を売らないで持ち続ける限り、最終的には十分な利回りが得られるのです。
これは統計的な事実です。
そういう意味で、株式投資の短期的な収益率が債券や預金の収益率を上回るかどうかというのは、じつはたいした問題ではありません。
より重要な問題は、株式投資のリターンが予想される平均値になるまで、十分に長い期間、実際に持ち続けようとするか否かなのです。
十分な時間さえ与えられれば、変動幅が大きすぎて危険すぎるゲームと思われる株式投資は、きわめて有効なものへと変貌します。
時間の効果は株式投資を様変わりさせるのです。
平均的な収益率は時間によって変わりませんが、平均的な収益率の周りに分布するかたちで実現する、実際の収益率の範囲は時間の影響を大きく受けます。
しかし、株式を運用する期間が長ければ長いほど、平均的な収益率に近くなっていくのです。
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